保険ジャーナリスト 森田直子さんに聞く!
2023年8月28日
――公的保険や各自治体の公的支援制度に対する保険募集人の知識の習得度合いについてどのように感じていますか?
募集人によって、公的保険に対する知識に大きな差があるように感じる。熱心に勉強して詳しい人がいる一方で、まだまだ理解が足りないままお客様対応している人がいるのが実情ではないだろうか。
とはいえ、監督指針の改正により、保険業界全体が公的保険をもっと勉強しなければいけない、というような気運になったことは確かだ。
――公的保険制度は難しいという印象を持つ募集人も少なくないと思います。募集人の習得度合いに大きな差が有る要因は何でしょうか?
公的保険制度の内容について、漠然とした認識しか持っていない募集人は多いと思うが、それは募集人の努力不足ということだけでなく、制度自体が複雑で難しい為に、それを自主的に学ぶ事の大変さがあるのも一因ではないだろうか。
――森田さんは過去に大病を患ったことから公的保険の大切さを自分事として捉えています。
今から14年前に頸椎脊柱管狭窄症による頚椎椎弓形成術を受けた。
9年前には変形性関節炎により、左足の人工関節置換手術を受け、やがて右足の具合も悪くなり、つい先日には人生3度目の手術となる人工関節手術を受けた。
今も過去の頸椎疾患の影響で半身に軽い麻痺が残っており、長時間歩くことができない。いわゆる障がいがある状態で、公的保険の保険請求に要する身体障害者手帳や障害年金の等級、要介護認定も持っている。
――大半の募集人はこうした経験がありません。
こうした経緯を持つ私としては、大半が健常者である募集人にとって公的保険制度の知識を深めることが、いかに大変かをわかっているので、行政や保険業界全体が募集人の学びの環境を作ることに、これまで以上に取り組んでくれることを望んでいる。
その意味では、各自治体の公的支援サービスの情報を一括検索できる御社のシステムは地域のお客様にとっても有益で、募集人の知識習得にも活用できるので、とても意義のあるものだと思う。
――当社のサービスが地域の募集人やお客様の役に立てばうれしい。
日頃から頑張っている募集人は総じて、お客様の為になる事への努力を怠らない。お客様のためになると思うものがあればその勉強をするし、取り入れようとする。こうした募集人はお客様の信頼を得ることになる。
私は保険業界歴30年以上になるが、もともとは大手生保営業職員として飛び込み営業をしたのが、保険業界でのスタートだったため、お客様に有用な情報をお届けすることの大切さはとても良く分かっている。
私事で恐縮だが、つい最近に孫が生まれた。
そんなこともあって、妊婦さんや小さなお子さんの居る家の為の行政サービスにとても関心がある。私も子育てをしていたときは苦労もしたので、子育て世代への情報提供などについても募集人の方々にはぜひ、力を注いでもらいたい。